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2017-03-27

浴室のリフォーム;TOTOの魔法びん浴槽の高断熱の仕組み

魔法びん浴槽って、どうなっているの?

「魔法びん浴槽」といっても、シリーズによって少し構成が異なるそうです。下記の図は、マンションリモデルバスルームのひろがるWGほっカラリ床シリーズの構成。40℃のお湯が5時間たっても2.5℃しか下がらない高断熱の仕様になっているそうです。

今回、マンションの改修現場で採用する機会があったので施工途中を見ることができましたので、ご紹介いたします。

 実物は、こんな感じです。右の壁際に見えるグレーっぽい器が、図の最下層に書かれた断熱防水パンです。(黄色ではないのですね。)上端縁には黒い帯状のパッキンがついてますが、浴槽の縁がこの上に被さり、浴槽の縁(リム)の上に壁パネルを設置する構造となっているため、浴槽の裏側に水が入りにくくなっているそうです。

 確かに、我が家のユニットバスはバスタブの縁と壁パネルのところには細い隙間があり、水やお湯が浸透していきます。壁パネルがバスタブの縁より下の床の上まで伸びていて、床のパネルで水やお湯を受ける構造になっていますね。写真のような断熱材もなく、浴槽の裏側はカビ汚れが発生するので定期的にエプロンを外して手の届く範囲で掃除しています。「果たして水を受ける仕組みにはなっているが、掃除のことを考えると浴槽の縁から浸水してもよいものなのか?」と疑問に思うことがありました。

 このTOTOさんのマンションリモデルバスルームのひろがるWGほっカラリ床シリーズは水が侵入しにくい壁パネルの設置構造となっているので、なるほど、なるほど、良いかもしれないと感じたのですが、『水が入りにくく』と書かれているので、やはり多少の浸水はあるのでしょう・・・。だから、「断熱防水パン」という名称になっているのですね。完全止水ではなく少し残念。断熱材で結露もなく、隙間も少ないようなので、掃除をする必要はないくらいに浴槽裏の環境は良好になっているということなのでしょう……。

断熱防水パン

この器の断熱防水パンの器の中に、下の写真にある浴槽断熱材で被覆された浴槽がおさまります。(これもオレンジ色ではないようですね。)銀色の2本の配管は追い炊き配管です。

浴槽+浴槽断熱材

サザナHGシリーズには断熱防水パンはありません。我が家の浴槽には浴槽断熱材もないようです……。

サザナHGシリーズの浴槽(HP;http://www.toto.co.jp/products/bath/point/01.htm)

組み上がったらこんな納まりです。白い部分が浴槽の縁(リム)の部分。その上の薄いグレーの壁が内装壁パネルの下地ボード部分の裏側です。たしかに、浴槽の縁の上に乗っています。厳密には、内装の鋼板部分が伸びて浴槽と接している納まり。

浴室外側の納まり

スケールを入れてみると、縁の立ち上がりは10ミリですね。これが水返しの立ち上がりになるのですね。浴室の内側から水、お湯が入るのか、内側を見てみると……

浴槽の縁の立ち上がり

浴室内の浴槽の縁と壁の納まりには止水のシールが打たれています。万が一この縁から水やお湯が壁の外に漏れても、10ミリの水返しがあるので浴槽下に漏水することはないだろうということですね。止水シールが切れる箇所が多くなると湿気が漏れ出して、壁外で結露する可能性はあるかもしれません。今後シールの劣化箇所が見つかったら、広がる前に補修したほうが良さそうです。これは、アフターメンテナンスの内容としてお客さんに伝えておきたいことです。

浴室内側のシール

浴室のリフォームで、いまより快適な空間に

 今回の現場は、中古のマンションを購入されたお客さまがお引越しされる前に行われたリフォーム工事です。1997年の建物なので築20年。「浴室のリフォーム」どんなに綺麗に使われていても、やはり水廻りは新たな生活の空間創りの中で新規にリフォームしたい箇所の一つではないでしょうか。浴室やキッチン、給湯器やエアコン、照明機器等、住宅設備機器類は経年の劣化がおきるものです。設備機器類の性能は時代を経るごとに工夫がなされ、少しずつ効率もよくなっています。20年も経てばそろそろあちらこちらで不具合の前兆が見られることでしょう。部品交換などをしつつ直しながら長く使えれば良いのですが、20年〜25年をメドに機器類の交換を検討されてみてはいかがでしょうか。

 「マンションリモデルバスルームのひろがるWGほっカラリ床シリーズ」は『お掃除ラクラクほっカラリ床』で浴室床もッション性がありひんやり感もなく水はけもよく乾きやすい滑りにくくて、しかも床にまで断熱層があります。冬場だけでなく一年中足触りの良い安心できる浴室空間になるのではないでしょうか。浴槽も高断熱なので40℃が5時間で2.5℃しか下がらないそうです。つまり、37.5℃。このままではやはりぬるいのですが、下がる温度が少ないので湯船につかりながらでも追い炊きをして、すぐに温まることでしょう。先にお話しましたが我が家の浴室仕様は、浴槽にも床にも断熱材はありませんが、追い炊きは温まるのが早いですね。下がる温度が少なければより早く温まります。

 それから、浴室全体に凸凹がすくないユニットバスは在来浴室にくらべても掃除が楽です。足は伸ばせませんが、掃除の時には1418サイズで大きくなくてよかったなと思います。今回納入したユニットバスはさらに、壁や床、浴槽、鏡、カウンターなどに汚れが付きにくい特殊加工がされているようで、羨ましい限りです。個人的な意見ですが、あまり備え付けの棚等はつけないでスッキリとさせておく方と掃除がしやすいと思います。

 昔よりユニットの壁が薄くなり、同じ設置有効サイズでも、状況によってはワンサイズ広い浴槽に変えることができるかもしれません。「足が伸ばせる浴槽が欲しい」と、お客さまのご要望を多く聞くことはありますが、浴槽が大きくなれば使う湯量も多くなりますし、掃除も大変になるのでほどほどの頃合いの大きさを見つけていただくようなアドバイスをしています。

浴室をリフォームされる方に参考までのご紹介でした。ほかにも改修現場から気がついたことなどのリポート記事が書ければと思います。

 

 

 

 

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