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2016-03-31

中古住宅:壊された基礎

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人によって蝕まれた基礎(害人)

上の写真は築35 年ほどの住宅。その床下にある基礎の状況です。
基礎に開いた四角穴「床下人通口」があります。床下を人が行き来し、点検できるように設けられ、床下の通気をとる経路ともなる基礎の開口部のことです。

写真にあるように開口中央部(赤線印)より下方向へ開口が広げられた跡がみられます。
もともとは、床下の通気用としての大きさしかなかったところを人が通れるようにハツリ(くだき壊す)広げたのでしょう。

なぜ、建物の要ともいえる基礎を壊さなければならなかったのか?
 →人が通る必要があったため。

なぜ、床下なのに人が通る必要があったのか?
 →床下になんらかの不具合が発生(シロアリ、漏水、湿気など)したため。

基礎の役割とは

基礎には建物の荷重を受けとめ、それを支持する地面に伝える役割があります。
力をよどみなくスムーズに流すためにも基礎は連続した形状が必要です。それが途中で途切れていたり(半島型)、切り欠かれた状態では力が極部に集中し、うまく地面に伝わりません。

また、今回の写真から壊された基礎の断面に鉄筋が見当たらないことから、「無筋基礎」と呼ばれるものであることがわかります。
鉄筋入りの基礎が設計基準となる以前(昭和56 年・1981 年)の建物ではないかと推察されます。余談ですがあえて“推察“としたのは、設計基準を守って設計され、施工されるとは限らないという意味合いが含まれます。この件については、別の機会に書いてみたいと思います。

建物の全体から影響を判断し、対応を

地盤の状態やハツられた基礎の周辺状況(ひび割れ、破断)、土台の歪み、1・2 階の状況(間取・軸組・壁・屋根等)などを確認。この基礎への力の負担状況を見極める必要があります。

中古住宅で、なにがおきているのか

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