空き家の行方について考える
夢を持って建てた家、家族で賑わった家が何十年か後には、住む人もいなくなり空き家が増えていくようです。時代とともに家族のあり方も変わりました。子供達は大人になり、それぞれの家庭とともに狭くとも自分の居場所として住まいを所有し、独立した家庭を築くようになりました。子供たちは旅立ち、家族で過ごした実家の空き部屋は倉庫と化し、限られた一部の部屋を使う高齢の親がひっそりと過ごしています。盆や暮れに兄弟姉妹の家族が集まるとかつての賑わいを呼び戻し、活気に満ちた空間は狭さをも感じます。
ふとその賑わいの中で考えることがあります。
「親が家族のために作った住まいだから大事にしたい。」
「今、親や親戚が元気だからこの場所は皆が集まれる、なくてはならない場所。」
「だけど、あと何年か先に、この家に皆が集まることはできるのだろうか…。」
「親も歳をとったな…。」
「この家はどうなるのだろう…」
住まいが楽しい空間である今は
「その時になってから考えよう。」
「売って相続すればいい。」
「だれかに貸せるだろう。」
「幼少を過ごした思い出の詰まった家だからそのままにしておきたい。」などなど、
まだ、そのくらいにしか考えたくないのかもしれません。
もう一歩先の住まいのあり方を少しずつ考えてみる。
「相続にはどのくらいのお金がかかるのか調べてみよう。」
「だれかに貸せるように家の中を整理しておこう。」
「空き家にならないよう、どのような活用ができるのだろうか調べておこう。」といった行動を進めてみることも皆が元気に家を活用している今だからこそ、考えることは必要なことかもしれません。
空き家の定期的な状況確認
人が住まない家や使わない部屋があると、雨漏りや湿気の滞留、害虫、小動物の巣などにも気がつくことができません。見えないところや気がつかないところから家は傷み始めます。使われていない家の方が劣化の進行速度は早まります。いざだれかに貸すことになった時、想像以上に傷みが進行していて、修繕工事に多額の費用がかかってしまうケースがあります。日頃から定期的に風を通し、点検を行い、劣化が起きないようにメンテナンスを行うことが大切です。
今、建物がどのような状態にあるのか、建物の健康状態を知ることから始めましょう。Pプラスでは、遠方や諸事情でなかなか見に行くことができない、空き家の定期確認と状況報告、なども行っています。お気軽にご相談ください。
住まいを考えるきっかけの本
空き家の手帳(六原まちづくり委員会+ぽむ企画著)学芸出版社
http://www.gakugei-pub.jp/mokuroku/book/ISBN978-4-7615-1365-8.htm
京都市東山区にある六原学区での空き家問題に取り組んだ、実体験をもとにイラストと会話形式でまとめた空き家対策の本を紹介します。空き家の問題点と流通の大切さ地域の住民にお知らせするために配布された、空き家とは何か?に始まり、片付けの心得、活用のノウハウ、相続や耐震改修への素朴な疑問、お金の心配にもだれもが抱く不安や疑問をQ&A形式で答える冊子となっています。住まいの今とこれからを考えるきっかけの一つになるのではないでしょうか。