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2019-05-23

中古住宅屋根(パミール)の確認

屋根の劣化

「コロニアル(セメントの板)ですが10年程度で劣化が激しいんですよね」と施工業者から連絡がありました。

屋根屋さんに問い合わせたり調べたりしていると劣化が激しいその屋根材はニチハの「パミール」(1996~2008年まで販売)という商品で多数のクレームが出ていることが判明しました。

2008 年頃の販売終了近くに建てられた住宅は2019年現在で約10 年で、屋根のメンテナンス時期に来ています。施工業者から連絡があった物件がまさに同時期。

そのパミールのメンテンスですが、10年程度で行われる塗装が非常に困難で塗装しても直ぐに剥離してしまい屋根材がボロボロと剥がれ落ちるようです。よって、屋根を葺き替えるかカバー工法(既存の上から新たな屋根を被せる)による修繕以外、手立てが無さそうです。

 

カバー工法でほんとに大丈夫?

屋根カバー工法はこれまでの屋根を解体しないため、工期が短く解体費や廃材処理費が掛からないのが大きなメリットです。

デメリットとしては屋根が二重になるため、頭が重くなり地震に対して不利になってしまします。よってカバー工法をなされるであれば比較的軽い金属屋根をおすすめいたします。

屋根を覆ってしまいますので屋根の下地材(野地板等)が傷んでいる場合には施工してはなりません。カバー工法を調査もせずに勧める業者は要注意。

※アスベスト(石綿)含む材料は処理費が更に掛かります、パミールは無石綿を売りにした初期の商品で強度面が弱くなってしまったのでは!?

パミールの見分け方

パミールの1枚は910ミリで、凸凹の欠き込み910/4が4ヶ所あります。

築10年程度でしたら、先端の塗装が剥げ幾重にも重なるミルフィーユ状になっているのが特徴で、さらに劣化がすすむと欠け、割れ、脱落していきます。

「パミール」に関して問い合わせをしてみました

ラスパート釘(屋根材「パミール」付属品)に関するお詫びとお知らせ
この度、当社では、屋根材「パミール」販売時に無償配布した「パミール用釘」(品番:JQ20)の一部に、耐 食性表面処理(ラスパート処理)のメッキ厚の薄いものが混入していたことが判明しました。 耐食性表面処理(ラスパート処理)のメッキ厚が薄い場合、正常にメッキ処理がなされた釘と比べ、経年に 伴う腐食の進行が早まる可能性があり、屋根材のズレ・落下などが生じる可能性があります。 現在のところ人的被害の報告はありませんが、当社では、関係する省庁に概要を報告するとともに、安全処置が必要なものについては無償での処置を随時進めてまいります。

製品自体は既に10年を過ぎている為、材質の経年劣化とし無料配布の釘のみ不具合を認めてる状況であるようです。

無償での処置について

その建物を建てた施工業者などから「ニチハ」の最寄りの営業所に連絡をしてもらい「ニチハ」の調査により屋根材のズレや落下などを認めると、新たな屋根材を上から被せるとのことが無償での処置とのことです。

因みに屋根に設置された太陽光発電設備などを外しての施工は無償での処置対象外です・・・。

冒頭で連絡がありました10年程度の家主さんは「パミール」のことも知らず、現在の劣化状況もまだ知りません、そして残念なことに「パミール」の上には太陽光発電さまが鎮座しておりました・・・

住宅ローンの返済中、築10年程度で屋根を全面葺き替えるには金銭的にも大変です。幸い(?)現況は屋根材のズレ・落下などはありませんでしたので「パミール」の情報を丁寧にご説明申し上げ、時期をみて葺き替えされることをご提案することとなりました。

中古物件では屋根の劣化具合や雨漏り、屋根の材質などで思わぬ出費が掛かる場合がございますのでご確認を忘れずにしていただきたいと思います。

屋根の不具合、屋根からの雨漏りなど危険も伴う場合もございます、ご自身で確認できない場合や不安がある方はお気軽にP+にご相談くださいませ。

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